生食や手作りごはんで気になること

生の肉や魚を使った生食、加熱調理をした手作りごはん。

どちらも市販のフードにはない自由度があり、取り入れている飼い主も増えています。

一方で、生の動物性食材を扱う以上、避けて通れないのが衛生管理の話です。

サルモネラ菌のような食中毒菌は、犬猫の体調を崩すだけでなく、片付けの過程で人にうつる可能性もあるとされています。

サルモネラ菌の入り込む経路

生の食材そのものに菌が付着していることもあれば、調理の過程で別の食材から菌が移ることもあるとされています。

グリーントライプのような生食材や、加熱が不十分な鶏むね肉・ささみは、扱い方によって菌が増えやすい条件がそろいやすい食材です。

菌がいるかどうかは見た目や匂いだけでは判断できません。

だからこそ、個々の食材を疑うより、扱い方そのものを衛生的に保つという発想が現実的とされています。

衛生管理の3つの基準

衛生管理は難しく考えなくても、次の3つに整理すると扱いやすくなります。

調理器具を分ける

生の動物性食材を扱うまな板や包丁は、野菜や人の食事と分けておくと、菌が別の食材に移るのを防ぎやすくなります。

保管温度を保つ

冷蔵・冷凍での保管が基本とされ、常温での放置は菌が増えやすい条件を作りやすいといわれています。

放置時間を短くする

調理後、食べ残しをいつまでも置いておかず、早めに片付けることも衛生管理の一部とされています。

加熱すれば安心とは限らない理由

加熱によって多くの菌は減らせるとされていますが、加熱したからもう安心、というわけではありません。

調理後の食材を常温で長時間置いたり、生の食材を扱った調理器具をそのまま使い回したりすれば、せっかくの加熱の意味は薄れてしまいます。

衛生管理は、加熱という一つの工程だけでなく、保管から片付けまでの一連の流れで考えることがすすめられています。

よくある誤解: 新鮮なものだから大丈夫

新鮮な食材を選んでいれば菌の心配はない、と考えがちですが、新鮮さと菌がいないことは同じ意味ではありません。

新鮮な食材にも菌が付着している可能性はあり、扱い方が不衛生であれば、時間の経過とともに菌が増えることもあるとされています。

食材選びだけでなく、ごはんを切り替えるときと同じように、扱い方そのものを見直す視点が必要です。

まとめ

  1. 生食や手作りごはんは、犬猫と人の両方にかかわる衛生管理が必要な食材
  2. サルモネラ菌などの食中毒菌は、症状がなくても犬猫が保有していることがある
  3. 衛生管理は調理器具を分ける・保管温度・放置時間の3つで整理できる
  4. 加熱していても油断せず、保管から片付けまでを衛生的に保つことが大切

口にしたものによる体調の変化が心配なときの見きわめ方は、誤食のときの判断基準にまとめています。

本記事は犬と猫の健康にまつわる一般的な知識の紹介であり、病気の診断・治療・予防を目的とした獣医療行為ではありません。体調の変化が続くとき、心配な症状があるときは、自己判断で様子を見続けず、動物病院・獣医師にご相談ください。