腸内細菌・菌

ファーミキューテス門とバクテロイデス門

Firmicutes and Bacteroidetes

Definition

腸内細菌を大きく分けたときの2大グループ(門)。犬猫の腸内フローラ検査の結果でよく出てくる用語。

この項目のポイント

  • 腸内細菌を大きく分けたときの2大グループ(門)をさす用語
  • 人の研究で肥満との関連が報告され、俗称が広まった経緯がある
  • 比率だけで健康度が決まるわけではないとされ、全体で見る必要がある

ファーミキューテス門とバクテロイデス門とは

ファーミキューテス門とバクテロイデス門とは、腸内細菌を大きく分けたときの2大グループ(門)のことです。個々の菌の名前ではなく、菌をざっくり大分類したときの呼び名にあたります。

犬猫の腸内フローラ検査の結果でよく登場する用語で、腸内フローラ全体の顔ぶれを大づかみに示すときに使われます。

俗称が広まった経緯

人の研究で、肥満とファーミキューテスの比率の高さの関連が報告されたことがあります。ここから、いわゆる「デブ菌」「痩せ菌」という俗称が広まりました。

ただし、この呼び方は正確ではありません。門というのは非常に大きなくくりで、その中には働きの異なるさまざまな菌が含まれています。ひとつの比率だけで太りやすさや健康度が決まるわけではない、というのが現在の一般的な見方です。単純化された呼び名だけが独り歩きしている状態と言えます。

たとえるなら、住んでいる人を大陸単位でしか分けていないようなものです。同じくくりの中に、まったく違う働きをする菌が同居しています。そのため、比率が動いたからといって中身に何が起きたのかまでは、この分類だけでは分かりません。

犬で報告されていること

犬では、攻撃性のある個体で腸内細菌の分布が異なるという報告があります。腸内細菌と体だけでなく、行動との関わりまで研究の対象が広がってきていることを示す例です。

こうした報告は、腸内フローラが体のさまざまな面とつながっている可能性を示すものではありますが、原因と結果をただちに結びつけられるものではありません。腸内細菌が行動に影響したのか、生活や体質の違いが菌の構成に表れたのか、切り分けは容易ではないためです。

犬猫の腸内細菌の研究は、人に比べればまだ蓄積の少ない分野です。分かってきたことと、これから確かめられていくことを分けて受け取る姿勢が求められます。

検査結果の読み方

腸内細菌叢の検査結果でこの2つの比率を見かけたときは、数字の大小だけで判断しないことがすすめられます。菌の多様性や、ほかのグループの構成、便の状態、ふだんの食事内容とあわせて眺めることで、はじめて意味のある見方になると考えられています。

また、この2つの比率は食事の内容によっても動きます。数字が変わったこと自体が悪い知らせとは限らず、ふだんのごはんや暮らしの変化が表れているだけの場合もあります。

気になる点があるときは、検査結果を持って動物病院で相談してください。

本項目は一般的な知識の紹介であり、獣医学的な診断・治療を目的とするものではありません。愛犬・愛猫の体調に不安があるときは、動物病院・獣医師にご相談ください。

FAQよくある質問

デブ菌・痩せ菌という呼び方は正しいのですか?

人の研究で肥満とファーミキューテスの比率の高さの関連が報告されたことから広まった俗称ですが、正確な呼び方ではありません。比率だけで太りやすさや健康度が決まるわけではないとされています。

腸内フローラ検査の結果に出てくるのはなぜですか?

腸内細菌を大きく分類したときの2大グループにあたるため、検査結果の全体像を示す指標としてよく表示されます。

犬でも研究されていますか?

犬では、攻撃性のある個体で分布が異なるという報告があります。腸内細菌と行動の関わりは研究が進められている分野です。