菌の多様性
microbial diversity
Definition
腸内にどれだけ多くの種類の菌が棲んでいるかという指標。種類が多いほど環境の変化に強く、回復力も高いとされる。
この項目のポイント
- 菌の多様性は腸内に棲む菌の種類の多さを示す指標
- 種類が多いほど環境の変化に強く、回復力も高いとされる
- 性質の違うプレバイオティクスを組み合わせる発想が語られる
菌の多様性とは
菌の多様性とは、腸内にどれだけ多くの種類の菌が棲んでいるかという指標のことです。菌の数の多さではなく、顔ぶれの広さを見る考え方で、腸内フローラの状態を評価するときの物差しのひとつとして使われます。
種類が多いほど環境の変化に強く、バランスが乱れたときの回復力も高いとされています。ひとつの役割を担う菌が減っても、似た働きをする別の菌が補いやすいためだと考えられています。
一種類の作物だけを育てている畑より、いろいろな植物が育っている場所のほうが天候の変化に持ちこたえやすい、という関係にたとえられることがあります。
検査で見えること
多様性は、腸内フローラ検査でも指標として示されることが多い項目です。どの菌が多いかという内訳だけでなく、全体としてどれくらい種類が広がっているかも合わせて見られます。
数字そのものを追いかけるというより、暮らしやごはんの変化とあわせて経過を見る材料として受け止めるのが一般的です。結果の読み方については獣医師に相談してください。
エサの種類に幅を持たせる
多様性を考えるうえでよく語られるのが、菌に届けるエサの種類です。菌によって分解できる繊維の種類が違うため、性質の違うプレバイオティクスを組み合わせると、いろいろな菌にエサが行き渡ると考えられています。
たとえばイヌリンとフラクトオリゴ糖のように、性質の異なるものを合わせる発想です。ひとつの素材だけを続けるより、幅を持たせるほうが顔ぶれの広さにつながるという整理になります。
ただし、量を増やせばよいというものではありません。急に増やすとおなかの調子に影響することがあるとされていますので、少量ずつ様子を見ながら進めるのが一般的です。
入れるより、保つという視点
菌そのものを届ける考え方とあわせて、近年よく語られるのが、単一の菌を大量に入れることより多様性を保つ発想です。特定の菌をたくさん入れれば整うという単純な話ではないとされています。
腸内細菌は互いに支え合いながら暮らしているため、一部分だけを取り出すのではなく、全体のバランスとして見るほうが実態に近いとされています。
毎日のごはんの積み重ねが土台になるという文脈で語られる領域です。食事の内容を大きく変えるときや、検査の結果が気になるときは、動物病院で相談してください。
本項目は一般的な知識の紹介であり、獣医学的な診断・治療を目的とするものではありません。愛犬・愛猫の体調に不安があるときは、動物病院・獣医師にご相談ください。
FAQよくある質問
菌の多様性はどうやって調べますか?
腸内フローラ検査で多様性の指標が示されることが多く、菌の種類の広がりを見る目安として使われます。
多様性を保つには何が関わりますか?
エサになる繊維の種類に幅を持たせることが関わると考えられています。食事を変えるときは少量ずつ、獣医師に相談しながら進めると安心です。
特定の菌をたくさん入れれば良いのですか?
単一の菌を大量に入れることよりも、全体の多様性を保つ発想が重視されています。