腸内細菌・菌

ウェルシュ菌

Clostridium perfringens

Definition

クロストリジウム属の一種で、悪玉菌の代表格として語られる腸内細菌。腸内でタンパク質を分解して腐敗物質を作る側の菌とされる。

この項目のポイント

  • ウェルシュ菌はクロストリジウム属の一種で、悪玉菌の代表格として語られる
  • 腸内でタンパク質を分解し、腐敗物質を作る側の菌とされる
  • 加齢とともに増えやすいとされ、犬の急性下痢との関わりが報告されている

ウェルシュ菌とは

ウェルシュ菌とは、クロストリジウム属に含まれる腸内細菌の一種で、いわゆる悪玉菌の代表格として語られる菌です。腸内でタンパク質を分解し、においのもとになる物質を作る側にまわる菌として知られています。

腐敗物質を作る側の菌

腸内細菌は、大きく分けると糖や食物繊維を発酵させて酸を作るグループと、タンパク質を分解するタンパク質発酵のグループに分かれます。ウェルシュ菌は後者にあたり、腐敗産物を作る菌として説明されます。

便のにおいがきつくなったときに悪玉菌の話が出てくるのは、この働きが背景にあります。とはいえ、においだけで腸内の菌の構成を判断できるわけではありません。

また、腐敗物質を作る菌がいること自体が異常というわけでもありません。健やかな腸にもこうした菌は一定数存在しており、問題になるのは全体のバランスが大きく傾いたときと考えられています。悪玉菌をゼロにするという発想ではなく、増えすぎない状態を保つという見方が一般的です。

加齢と腸トラブルとの関わり

ウェルシュ菌は加齢とともに増えやすいとされています。年齢を重ねた犬や猫の腸内環境を考えるうえで、名前が挙がることの多い菌です。

また犬では、急性の下痢との関わりが報告されています。ただし下痢の原因はさまざまで、この菌だけで説明がつくものではありません。症状が続くときは自己判断せず、動物病院で相談してください。

シニア期に入ってから便のにおいや状態が変わったと感じる場合、その背景に腸内細菌の構成の変化があることも考えられます。日々の便の様子を見ておくと、変化に気づく手がかりになります。

オリゴ糖との関係で報告されていること

食事との関わりでは、オリゴ糖、とくにケストースを与えた犬でウェルシュ菌が減少したという報告があります。菌そのものを狙い撃ちするのではなく、腸内でよい働きをする菌のエサを届けることで、全体の構成が変わり得るという考え方につながる報告です。

ただし、こうした報告があることと、家庭で同じ結果が出ることは別の話です。犬や猫によってもともとの腸内細菌の構成は異なり、同じものを与えても反応の出方は同じとは限りません。

フードやサプリメントの変更は少量ずつ進め、持病がある場合はとくに獣医師に相談しながら判断することがすすめられます。急な切り替えは、それ自体が腸の負担になることもあるとされています。

本項目は一般的な知識の紹介であり、獣医学的な診断・治療を目的とするものではありません。愛犬・愛猫の体調に不安があるときは、動物病院・獣医師にご相談ください。

FAQよくある質問

ウェルシュ菌は悪い菌なのですか?

腸内でタンパク質を分解して腐敗物質を作る側の菌にあたるため、悪玉菌の代表格として語られます。ただし腸内細菌は全体のバランスの中で働くもので、一種類だけを敵と見なす考え方は単純にすぎるとされています。

年齢と関係がありますか?

加齢とともに増えやすいとされています。年齢にともなう腸内細菌の移り変わりは、犬や猫でも研究の対象になっています。

オリゴ糖と関係があると聞きました。

オリゴ糖、とくにケストースを与えた犬でウェルシュ菌が減少したという報告があります。食事の変更は少量ずつ、獣医師に相談しながら進めると安心です。