ケストース
kestose
Definition
正式には1-ケストースと呼ばれる三糖類で、フラクトオリゴ糖の一種。大腸まで届き、増やす菌を選ぶ性質(選択性)が研究されている成分。
この項目のポイント
- ケストースはブドウ糖1つと果糖2つからなる三糖類で、フラクトオリゴ糖の一種
- 小腸で分解されずに大腸まで届き、ビフィズス菌や酪酸を作る菌を選んで増やすとされる
- 甘みがあるのに血糖値やインスリンをほとんど上げないとされる点も特徴
ケストースとは
ケストースとは、正式には1-ケストースと呼ばれる三糖類で、フラクトオリゴ糖の一種です。ブドウ糖1つと果糖2つが結びついた構造をもち、小腸の消化酵素では分解されないまま大腸まで届く性質があります。
甘みがありながら、血糖値やインスリンをほとんど上げないとされる点も、砂糖など他の糖との違いとして語られます。甘い成分でありながら、体のエネルギー源としてではなく腸内細菌に届く成分として扱われる、というのがケストースの立ち位置です。
注目されている「選択性」
腸に届いたオリゴ糖は、腸内のすべての菌に等しく利用されるわけではありません。ケストースで注目されているのは、ビフィズス菌や酪酸を作る菌を選んで増やす性質、いわゆる選択性の高さです。複数のオリゴ糖を比較した研究では、酪酸を作る菌を増やす力が高いと報告されています。
酪酸は短鎖脂肪酸の一種で、腸の粘膜細胞のエネルギー源になるとされる物質です。つまりケストースは、酪酸菌そのものを入れるのではなく、もともと腸にいる菌のうち増やしたい側を後押しするという考え方で語られます。菌のエサになる成分はプレバイオティクスと呼ばれますが、その中でも狙いを絞りやすい素材として研究が進められています。
エサになる成分であれば何でもよい、というわけではないのがこの分野の難しいところです。届いたエサを利用するのが増えてほしい菌なのか、それとも増えてほしくない菌なのかで、腸の中で起きることは変わってきます。選択性という言葉が繰り返し使われるのは、そのためです。
犬を対象にした研究
ケストースは、犬を対象にした試験も行われています。急性の下痢、皮膚のかゆみ、落ち着きのなさ(同じ行動を繰り返す、攻撃的になるなど)との関わりが研究テーマとして取り上げられてきました。腸内細菌の変化としては、ウェルシュ菌が減ったという報告もあります。
いずれも研究として報告されている内容であり、症状への効果が確立しているという意味ではありません。下痢やかゆみ、行動の変化には、感染や食物、痛み、内分泌などさまざまな背景が考えられます。気になる不調があるときは、まず動物病院で原因を確かめることが先になります。
取り入れるときの考え方
オリゴ糖の仲間である以上、一度に多くとれば大腸での発酵が進み、おなかがゆるくなることもあるとされています。少量から始めて便の様子を見ながら量を決める、という進め方が基本です。持病がある子や治療中の子では、食事内容そのものが治療の一部になっている場合もあるため、自己判断で足さず獣医師に相談してください。
本項目は一般的な知識の紹介であり、獣医学的な診断・治療を目的とするものではありません。愛犬・愛猫の体調に不安があるときは、動物病院・獣医師にご相談ください。
FAQよくある質問
ケストースは普通のオリゴ糖と何が違いますか?
ケストースもフラクトオリゴ糖の仲間ですが、増やす菌の選択性が高いと考えられている点が特徴として語られます。複数のオリゴ糖を比較した研究では、酪酸を作る菌を増やす力が高いと報告されています。
犬に与えても大丈夫ですか?
犬を対象にした試験も行われている成分ですが、体調や持病によって適否は変わります。取り入れる場合は少量から、獣医師に相談しながら進めると安心です。
甘いので血糖値が心配です
ケストースは甘みがありながら血糖値やインスリンをほとんど上げないとされています。ただし個々の健康状態については獣医師の判断が優先されます。