腸活・ケア

歯垢(プラーク)

dental plaque

Definition

歯の表面に付いた細菌のかたまり。食べカスではなく菌の集団で、放置すると石灰化して歯石になるとされる。

この項目のポイント

  • 歯垢は食べカスではなく、歯の表面に付いた細菌のかたまり
  • 唾液のタンパク質が作る薄い膜(ペリクル)に菌が付いて増える
  • 放置すると石灰化して歯石になり、歯ブラシでは落とせなくなるとされる

歯垢(プラーク)とは

歯垢とは、歯の表面に付いた細菌のかたまりのことです。プラークとも呼ばれ、犬猫のオーラルケアの話題では出発点になる言葉です。食べ物のカスだと思われがちですが、実際には菌が集まって作ったバイオフィルムであり、生きた菌の集団が住み着いた状態を指します。

どうやって作られるか

歯垢ができる順番は、おおよそ決まっています。まず唾液に含まれるタンパク質が歯の表面に薄い膜を作ります。これはペリクルと呼ばれ、それ自体は菌ではありません。次に、この膜を足がかりとして菌が付着し、そこで増えていきます。菌が増えるほど層は厚くなり、内側は外からの働きかけが届きにくい環境になっていきます。

つまり歯垢は、汚れが積もったものというより、菌が段階を踏んで作り上げた住まいです。口腔内細菌叢の中でどんな菌が優勢になるかによって、その中身も変わってくると考えられています。犬ではグラエ菌のように、この環境と関わりの深い菌が知られています。

拭き取るだけでは落ちにくく、こすって崩す必要があるといわれるのも、歯垢が単なる付着物ではなく菌が作った構造物だからです。歯みがきが「汚れを流す」よりも「菌の住まいを崩す」と説明されるのは、この性質によります。

歯石になる前と後

歯垢を放置すると、唾液に含まれるミネラルによって石灰化し、硬い歯石になります。こうなると歯ブラシでは落とせなくなるとされ、動物病院での処置が必要になります。犬猫は唾液が弱アルカリ性寄りとされ、人より石灰化が進みやすいと説明されます。

歯垢の段階と歯石の段階では、できることがまったく違います。だからこそ犬猫のオーラルケアの話題は、歯石をどうするかよりも、その手前の歯垢とどう付き合うかに重心が置かれます。毎日のケアが繰り返し語られるのは、時間との勝負という性格があるためです。

腸へ続く入り口として

歯垢の中の菌は、唾液やごはんと一緒に飲み込まれて消化管へ運ばれていきます。口の中の菌のバランスが腸内細菌叢に影響しうるのではないかという研究もあり、口腔ケアは歯の話にとどまりません。口は消化管の入り口である、という当たり前の事実が、腸を考えるうえでの出発点になります。

本項目は一般的な知識の紹介であり、獣医学的な診断・治療を目的とするものではありません。愛犬・愛猫の体調に不安があるときは、動物病院・獣医師にご相談ください。

FAQよくある質問

歯垢は食べ物のカスですか?

食べカスそのものではなく、歯の表面で増えた細菌のかたまりです。だからこそ、食後の汚れを流すというより菌の住まいを崩すという発想でケアが語られます。

犬や猫は歯石になりやすいのですか?

犬猫の唾液は人より弱アルカリ性寄りとされ、歯垢が石灰化しやすいと説明されます。歯石になってからは歯ブラシで落とせないとされるため、その前の段階が重視されます。