口腔ケアと腸
oral care
Definition
口の中のケアを腸のケアと地続きで考える見方。口の菌は飲み込まれて消化管に届くため、口腔内細菌叢と腸内細菌叢の関わりが研究されている。
この項目のポイント
- 口の菌は飲み込まれて消化管に届くため、口腔ケアは腸のケアと地続きで語られる
- 犬猫の唾液は人より弱アルカリ性寄りで、歯垢が石灰化しやすいとされる
- エリスリトールは犬猫にも使えるとされるが、キシリトールは与えてはいけない
口腔ケアと腸とは
口腔ケアと腸とは、口の中のケアを腸のケアと地続きのものとして考える見方のことです。口は消化管の入り口であり、口の中の菌は唾液やごはんと一緒に飲み込まれて腸まで運ばれていきます。そのため口腔内細菌叢の乱れが腸内細菌叢にも影響しうるのではないかと研究されています。
歯のケアと腸活は、別々の習慣として語られがちです。ただ、口から肛門までは一本の管でつながっており、入り口で起きていることが先の環境と無関係とは考えにくい、というのがこの見方の出発点になっています。
犬猫の口は人と条件が違う
唾液の性質は動物によって異なります。人はおよそpH7.0、犬はおよそ8.0、猫はおよそ8.1と報告されており、犬猫は人より弱アルカリ性寄りです。この違いのため、犬猫はいわゆる虫歯にはなりにくいとされる一方、歯垢が石灰化して歯石になりやすいとされています。人の口のケアの常識をそのまま持ち込めない理由が、ここにあります。
人のオーラルケアは虫歯対策を軸に語られることが多いのに対し、犬猫では歯石のほうが話題の中心になります。同じ口のケアという言葉でも、見ているものが違うわけです。
処置よりも、そのあと
歯石の除去をしたあとのアフターケアが重要とされるのも、この事情と関係しています。処置は一度きりでも、口の中の菌は毎日動き続けているためです。何もしなければ元の状態に戻っていくと報告されており、日々の積み重ねのほうが話題にされます。腸活で「毎日のごはんが土台」と言われるのと、まったく同じ構図です。
甘味料の扱いには注意が必要
口腔ケア用品には糖アルコールが使われることがあります。エリスリトールは犬猫にも使えるとされ、エリスリトールとして個別に扱われる成分です。一方でキシリトールは、犬猫では低血糖などの危険があり、与えてはいけないとされています。人向けのガムや歯みがき剤には含まれることがあるため、家の中に置く場所も含めて、成分表示の確認は欠かせません。誤って口にした可能性があるときは、すぐに動物病院へ連絡してください。口のケアも腸のケアも、良いものを足すより先に、避けるべきものを外すところから始まります。
本項目は一般的な知識の紹介であり、獣医学的な診断・治療を目的とするものではありません。愛犬・愛猫の体調に不安があるときは、動物病院・獣医師にご相談ください。
FAQよくある質問
犬や猫は虫歯になりますか?
犬猫の唾液は人より弱アルカリ性寄りとされ、いわゆる虫歯にはなりにくいと説明されます。一方で歯垢が石灰化しやすいとされ、歯石の側が話題になりやすい傾向があります。
キシリトール入りのものを使ってもよいですか?
キシリトールは犬猫では低血糖などの危険があり、与えてはいけないとされています。誤って口にした可能性があるときは、すぐに動物病院に連絡してください。