エリスリトール
erythritol
Definition
糖アルコールの一種。細菌が代謝しにくいため、口の中の細菌のかたまり(バイオフィルム)の形成を抑えるはたらきが研究されている。
この項目のポイント
- エリスリトールは糖アルコールの一種で、細菌に代謝されにくい甘味成分
- バイオフィルムの形成を抑えるはたらきが口腔ケアの分野で研究されている
- キシリトールと違い犬にも使えるとされ、犬用の口腔ケア製品にも使われる
エリスリトールとは
エリスリトールとは、糖アルコールの一種で、甘みがありながら細菌に代謝されにくいという性質をもつ成分です。この性質から、犬猫の分野では甘味料としてよりも、口の中のケアに関わる素材として研究されてきました。
細菌にとってエサになりにくい甘み、という少し変わった立ち位置の成分だと考えると分かりやすいかもしれません。
細菌が代謝しにくいことで起きること
口の中の細菌は、集まって膜のようなかたまりを作ります。これがバイオフィルムで、歯垢もこの状態のものです。エリスリトールは細菌が代謝しにくいため、このバイオフィルムの形成を抑えるはたらきが研究されています。
さらに、細菌同士が合図を出し合って集まる仕組みを妨げるとも報告されています。細菌を一匹ずつ叩くのではなく、集まって定着するプロセスのほうに働きかけるという考え方です。あわせて、においのもとになる物質を抑えるという報告もあります。口のにおいは細菌が作り出す物質と関わりが深いため、この点も口腔ケアの文脈で注目されています。
口の中にも独自の細菌のバランス(口腔内細菌叢)があると考えられており、エリスリトールはその環境に関わる素材として語られています。菌をすべて排除するのではなく、集まって膜になりにくい状態を保つという方向の考え方です。
犬猫での扱いと注意
エリスリトールは、キシリトールと違い犬にも使えるとされ、犬用の口腔ケア製品にも使われています。名前が似ている糖アルコールでも扱いはまったく異なるため、成分名で確認することが大切です。
ただし、安全とされる成分でも量の問題は残ります。与えすぎればおなかがゆるくなることがあるため、少量から始めて便の様子を見ながら進めてください。人用の甘味料をそのまま流用するのではなく、犬猫用として作られた製品を選び、表示された使い方を守ることも大切です。
また、口の中の状態は歯そのものの状態や全身の状態とも関わります。すでに歯石が付いている場合や歯ぐきが腫れている場合、成分だけでどうにかできる段階ではないこともあります。口臭や歯ぐきの様子が気になるときは、まず動物病院で口の中を診てもらうことが先になります。日々のケアと、必要な処置とを分けて考える視点が役に立ちます。
本項目は一般的な知識の紹介であり、獣医学的な診断・治療を目的とするものではありません。愛犬・愛猫の体調に不安があるときは、動物病院・獣医師にご相談ください。
FAQよくある質問
エリスリトールは犬に与えても大丈夫ですか?
キシリトールと違い犬にも使えるとされ、犬用の口腔ケア製品にも使われています。ただし与えすぎればおなかがゆるくなることがあるため、少量から様子を見てください。
キシリトールとどう違いますか?
どちらも糖アルコールの仲間ですが別の成分です。キシリトールは犬では低血糖や肝臓への重い障害が報告されており、与えてはいけません。名前が似ていても扱いはまったく異なります。
口臭対策になりますか?
においのもとになる物質を抑えるという報告があります。ただし口の中の状態には歯の状態や全身の状態も関わるため、気になる場合は動物病院で相談してください。