腸内細菌・菌

フェカリバクテリウム

Faecalibacterium

Definition

短鎖脂肪酸、とくに酪酸を多く作る腸内細菌。腸内フローラの健康度をはかる目安のように扱われることがある。

この項目のポイント

  • フェカリバクテリウムは酪酸などの短鎖脂肪酸を多く作る腸内細菌
  • 腸内フローラの健康度をはかる目安のように扱われることがある菌
  • 犬の急性下痢のときに減少することが報告されている

フェカリバクテリウムとは

フェカリバクテリウムとは、腸内で短鎖脂肪酸、とくに酪酸を多く作る菌のことです。正式にはフェカリバクテリウム・プラウスニッツィイといい、腸内細菌の研究でたびたび名前が挙がる菌のひとつです。

酪酸を作る側の菌であることから、酪酸菌の話題と一緒に語られることが多い菌でもあります。

腸内フローラの目安として見られる理由

フェカリバクテリウムは、腸内フローラの健康度をはかる目安のように扱われることがあります。腸の状態が揺らいだときに数が変わりやすい菌として研究されてきた経緯があるためです。

犬では、急性の下痢のときにフェカリバクテリウムが減少することが報告されています。人でも、アレルギーのある子どもでこの菌が少ないという報告があります。こうした報告が積み重なった結果、腸内の状態を映す鏡のような菌として紹介されるようになりました。

酪酸を作る菌が減るということは、腸の中で作られる酸の量やバランスにも変化が起きている可能性があります。そのため、この菌の増減は、腸内の環境がどちらの方向に傾いているかを見る手がかりとして扱われます。

目安であって、点数ではない

ただし、この菌が多ければそれだけで腸が健やか、と単純に言い切れるわけではありません。腸内細菌はおたがいに影響しあいながらバランスを保っており、ひとつの菌の増減だけを取り出しても全体像はつかめないと考えられています。

また、犬や猫と人では腸内にすむ菌の顔ぶれが異なります。人の研究で得られた知見がそのまま犬猫に当てはまるとは限らないため、種差を踏まえて読む姿勢が大切とされています。

さらに、菌が減っているから体調が崩れたのか、体調が崩れた結果として菌が減ったのかは、報告だけでは切り分けが難しい部分です。順番がはっきりしないまま語られやすい話題でもあるため、情報を受け取るときは何がどこまで分かっているのかに注意して読むとよいとされています。

検査結果で名前を見かけたら

腸内フローラ検査の項目にフェカリバクテリウムが含まれていることがあります。数字が上下したときは、そこだけを見るのではなく、菌の多様性や便の様子、ふだんのごはんの内容とあわせて眺めるとよいとされています。

検査は、腸の中で起きていることをそのまま写した写真ではなく、あるときの断面を切り取ったものです。時間をおいて比べたときの変化のほうが、手がかりになる場合もあります。

気になる変化が続くときは、動物病院で相談してください。

本項目は一般的な知識の紹介であり、獣医学的な診断・治療を目的とするものではありません。愛犬・愛猫の体調に不安があるときは、動物病院・獣医師にご相談ください。

FAQよくある質問

フェカリバクテリウムはどんな菌ですか?

正式にはフェカリバクテリウム・プラウスニッツィイという名前の腸内細菌で、短鎖脂肪酸、とくに酪酸を多く作る菌として知られています。

犬の下痢と関係がありますか?

犬の急性下痢のときにフェカリバクテリウムが減少することが報告されています。ただし下痢の原因はさまざまなので、続くようであれば動物病院に相談してください。

多ければ多いほど良いのですか?

健康度の目安のように扱われることはありますが、ひとつの菌の量だけで腸の状態が決まるわけではないと考えられています。腸内フローラ全体のバランスとあわせて見るのが一般的です。