腸のしくみ

腸皮膚相関

gut-skin axis

Definition

腸内環境と皮膚の状態が連動しているという考え方。腸のバリアがゆるむと、体をめぐる物質が皮膚に影響しうると研究されている。

この項目のポイント

  • 腸皮膚相関は腸内環境と皮膚の状態が連動しているという考え方
  • 腸のバリアがゆるむと体をめぐる物質が皮膚に関わりうるとされる
  • ストレスで腸が乱れ肌に出るという腸と脳と皮膚をまとめた見方もある

腸皮膚相関とは

腸皮膚相関(ちょうひふそうかん)とは、腸内環境と皮膚の状態が連動しているという考え方です。腸で起きていることが、離れた場所にある皮膚にも関わりうるという見方で、近年研究が進められています。

腸と皮膚はどちらも、外の世界と体の内側が接する境界にあたります。どちらにも常在菌がすみつき、バリアとして働いているという共通点があります。この似た立場から、両者をひとつながりのものとして捉える視点が生まれました。

腸のバリアと皮膚をつなぐ道すじ

腸内細菌のバランスが乱れると、腸の粘膜のバリアがゆるみやすくなるとされます。これはリーキーガットという言葉で語られる状態です。

このとき、腸で作られた腐敗物質や炎症に関わる物質が体内に入り、全身をめぐって皮膚にも影響しうると研究されています。腸で起きた乱れが、血液という道を通って皮膚に届くという道すじです。皮膚だけを見ていても原因がはっきりしないときに、腸という別の場所へ目を向ける発想はここから来ています。

脳も含めて捉える見方

ストレスで腸の調子が乱れ、それが肌に出るという流れも研究されています。これは腸脳相関と腸皮膚相関を重ね、腸と脳と皮膚をまとめて捉える見方です。緊張しやすい子の皮膚トラブルを、環境や生活のリズムから考える背景にはこうした発想があります。

引っ越しや同居動物の変化など、暮らしが大きく動いたあとに皮膚の相談が増えるという声もあり、食事だけでなく生活全体を見る材料として語られます。

犬猫での位置づけ

犬や猫でも、皮膚のかゆみやフケの相談で腸内環境から見直す考え方が広がりつつあります。被毛のつやや皮膚の乾燥といった見た目の変化は飼い主が気づきやすく、体の内側を振り返るきっかけとして語られることもあります。皮膚には皮膚で皮膚常在菌という独自の菌のバランスがあり、腸だけで語り切れるものではありません。皮膚の状態が気になるときは自己判断で食事を大きく変えず、動物病院で相談することが大切とされています。

本項目は一般的な知識の紹介であり、獣医学的な診断・治療を目的とするものではありません。愛犬・愛猫の体調に不安があるときは、動物病院・獣医師にご相談ください。

FAQよくある質問

犬の皮膚のかゆみは腸と関係がありますか?

腸内環境と皮膚の状態の関わりは研究が進められている領域で、腸から見直す考え方が広がりつつあります。ただしかゆみの原因はさまざまなので、まずは動物病院で相談することが大切です。

腸活をすると被毛やフケは変わりますか?

腸内環境と皮膚の関わりが研究されているため注目されていますが、腸活で皮膚の状態が変わると断定できるものではありません。食事の見直しは少量ずつ、獣医師に相談しながら進めてください。