腸内細菌・菌

皮膚常在菌

skin microbiome

Definition

皮膚の表面に棲む菌の集まり。犬ではブドウ球菌の仲間やマラセチアなどが知られ、腸内細菌との連動も研究されている。

この項目のポイント

  • 皮膚常在菌は皮膚の表面に棲む菌の集まりで、犬猫にもそれぞれの顔ぶれがある
  • 犬ではスタフィロコッカス・シュードインターメディウスやマラセチアが知られる
  • 腸内細菌との連動(腸皮膚相関)が研究されている

皮膚常在菌とは

皮膚常在菌とは、皮膚の表面に普段から棲んでいる菌の集まりのことです。常在という言葉のとおり、健康なときにもそこにいる菌たちを指します。腸に腸内フローラがあるように、皮膚にも菌の生態系があり、その顔ぶれとバランスが皮膚の状態と結びついていると考えられています。

犬猫の皮膚に棲む菌

犬では、黄色ブドウ球菌のほか、スタフィロコッカス・シュードインターメディウスという菌が知られています。また、皮脂を好む真菌のマラセチアも代表的な住人です。これらはもともとそこにいる菌ですが、バランスが崩れて特定の菌が増えると皮膚のトラブルにつながると考えられています。菌がいること自体が問題なのではなく、増え方の偏りが問題として語られる点は、腸の菌の多様性の話とよく似ています。

菌は皮膚の上でもバイオフィルムを作って定着することが知られており、皮膚を「菌が暮らす場所」として見る視点が広がっています。皮膚を単なる体の表面ではなく、腸と同じように菌が住みついている生態系として捉えると、日々のケアの意味も見え方が変わってきます。

人と同じには考えられない

人では、表皮ブドウ球菌が皮脂を分解して皮膚を弱酸性に保つ働きが知られています。ただし犬は汗腺の作りが人と異なり、同じようには考えられないとされています。皮膚のpHを人の基準で語れないのはこのためで、人向けの発想をそのまま持ち込まない慎重さが求められます。

人の美容の分野で語られる菌の話題は情報量が多く、つい犬猫にも当てはめたくなりますが、体のつくりが違えば菌が暮らす条件も変わります。ケア用品を選ぶときは、犬猫向けに考えられたものかどうかを確認し、迷うときはかかりつけの獣医師に相談すると安心です。

腸とのつながり

近年は、皮膚常在菌と腸内細菌の連動が腸皮膚相関として研究されています。皮膚と腸という離れた場所が、体の内側でつながっているという考え方です。皮膚に出るサインを皮膚だけの問題として見るのではなく、ごはんや腸の状態も含めて広く捉える考え方です。表面のケアと内側のケアは切り離せない、という視点が、犬猫の腸活が皮膚の話と一緒に語られる理由になっています。

本項目は一般的な知識の紹介であり、獣医学的な診断・治療を目的とするものではありません。愛犬・愛猫の体調に不安があるときは、動物病院・獣医師にご相談ください。

FAQよくある質問

人の皮膚の常識は犬にも当てはまりますか?

人では表皮ブドウ球菌が皮脂を分解して皮膚を弱酸性に保つ働きが知られますが、犬は汗腺の作りが人と異なり、同じようには考えられないとされています。人向けのケア用品をそのまま使う前に、獣医師に相談すると安心です。

皮膚の菌と腸は関係ありますか?

皮膚と腸内細菌の連動は腸皮膚相関と呼ばれ、研究が進められている分野です。皮膚だけを見るのではなく、食事や腸の状態も含めて考える視点が広がっています。