にんじん
carrot
Definition
食物繊維とβ-カロテンを含む根菜で、犬猫のトッピングによく使われる食材。かたい細胞壁をもつため、加熱してやわらかくし、味付けをせず少量を与えるのが基本とされる。
この項目のポイント
- にんじんは水にとける繊維ととけにくい繊維の両方を含む根菜
- 細胞壁がかたいため、生のままだと大きなかけらが消化されずに便に出ることがある
- 含まれるβ-カロテンは犬では体内でビタミンAに変えられるが、猫はこの変換が苦手とされる
- 主食ではなく補助的な食材。少量から始めて便の様子を見る
にんじんとは
にんじんは、食物繊維とβ-カロテンを含む根菜で、犬や猫のトッピングによく使われる食材です。かぼちゃやさつまいもとならんで、手作りごはんの彩りとしても定番になっています。
甘みがあって受け入れられやすい一方、生のままではかなりかたい食材でもあります。このかたさが、与え方を考えるときのポイントになります。
腸との関わり
にんじんの繊維には、水にとけてゲル状になるペクチンなどの水溶性食物繊維と、水にとけずに便のかさを増やす不溶性食物繊維の両方が含まれるとされます。水溶性の繊維は腸内細菌のエサになり、短鎖脂肪酸が作られる材料になると考えられています。
ただし、繊維は多ければよいというものではありません。急に増やすと便がゆるくなったり、逆に水分が足りずにかたくなったりすることがあります。少量から始めて便チェックをしながら量を決める、という進め方が基本です。
生と加熱で変わること
にんじんの細胞は、かたい細胞壁に包まれています。生のまま大きなかけらで食べると、この壁が壊れないまま腸を通過し、そのままの形で便に出てくることがあります。犬猫は人ほどよく噛んでから飲み込むわけではないので、なおさら起こりやすい現象です。
やわらかく加熱すると細胞壁がゆるみ、中の成分が取り出されやすくなるとされています。β-カロテンのような脂に溶ける成分は、加熱と少量の脂と一緒のほうが体に取り込まれやすいと考えられています。逆に、生であることの利点は水分と、加熱で失われやすい成分が残る点です。
どちらが正しいという話ではなく、目的が違います。詳しい使い分けは犬猫に野菜を与えるとき、生か加熱かで整理しています。
犬と猫で意味が違う
にんじんに含まれるβ-カロテンは、体の中でビタミンAに変えられる前駆体として知られています。犬はこの変換ができるとされていますが、猫は変換が苦手で、ビタミンAは動物性の食材から直接とる必要があると考えられています。
つまり同じにんじんでも、犬ではビタミンAの材料としての意味があり、猫ではその意味がほとんどありません。猫に与える場合は、繊維や水分を少し足す食材という位置づけで考えることになります。もともと猫は肉食に寄った動物なので、野菜を増やすこと自体が目的にならないよう気をつけてください。
与えるときの基本
皮は薄くむくか、よく洗って使います。かたい部分を避け、小さく切ってやわらかく加熱し、味付けはしません。バターや油で炒めたもの、味のついた煮物は与えないでください。
はじめて与えるときはごく少量からにして、便やおなかの様子を見ます。にんじんは補助的な食材で、主食に置きかえるものではありません。総合栄養食を食べている子では、トッピングを増やすほど全体の栄養バランスが崩れる方向にはたらく点も覚えておいてください。持病がある子や治療中の子は、食事内容そのものが治療の一部になっている場合があるため、自己判断で足さず獣医師に相談してください。
本項目は一般的な知識の紹介であり、獣医学的な診断・治療を目的とするものではありません。愛犬・愛猫の体調に不安があるときは、動物病院・獣医師にご相談ください。
FAQよくある質問
犬や猫ににんじんを与えても大丈夫ですか?
味付けをせず、やわらかく加熱したものを少量であれば与えられる食材とされています。ただし持病や体質によって適否は変わるため、心配なときは獣医師に相談してください。
生のにんじんをおやつ代わりにあげてもいいですか?
スティック状の生にんじんを噛ませる与え方はよく見かけますが、細胞壁がかたいため大きなかけらはそのまま便に出ることがあります。丸のみするタイプの子ではのどに詰まらせる心配もあるため、小さく切るか加熱したほうが安全とされます。
にんじんを食べるとビタミンAがとれますか?
犬はにんじんに含まれるβ-カロテンを体内でビタミンAに変えられるとされています。一方で猫はこの変換が苦手で、ビタミンAは動物性の食材から直接とる必要があると考えられています。猫にとってのにんじんは、ビタミン源というより繊維や水分を含む補助的な食材という位置づけになります。
便がにんじん色になりましたが大丈夫ですか?
にんじんを多めに与えた後に便の色が変わることはあります。ただし便の色の変化は食べたもの以外の理由でも起こるため、色以外に下痢や元気のなさが重なるときは動物病院にご相談ください。
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