季節の変わり目に乱れるのは、3つが同時に動くから
季節が変わるころに便がゆるくなる、あるいは硬くなる。
心当たりのある飼い主は多いと思います。
これは気温だけの話ではありません。水分・食欲・環境という3つが、同じ時期にまとめて動くためです。
- 気温が変わり、飲む水の量が変わる
- 食欲が落ちる、あるいは戻る
- 生活のリズムや散歩の時間が変わる
腸内環境は、日々の入力の積み重ねでできています。
入力が3つ同時に変われば、出力である便に出るのは自然なことです。
夏から秋に起きやすいこと
この時期に特有なのは、夏のあいだの状態を持ち越したまま、食欲だけが先に戻ることです。
暑い時期は食欲が落ち、食べる量が減ります。
ウェットフードや水を多めにとっていた子は、それも一緒に減っていることがあります。
そこへ涼しくなって食欲が戻ると、食べる量だけが急に増えます。
水分の量が戻らないまま量だけ増えると、便が硬くなりやすくなります。
逆に、涼しくなって一気に食べた結果、消化が追いつかず ゆるくなることもあります。
どちらに転ぶかはその子次第です。
だからこそ、決め打ちで対策せず、便を見てから決めるほうが確実です。
乱れても戻る力がある
ここで知っておきたいのが回復力という考え方です。
腸内細菌のバランスは、一時的に乱れても元へ戻ろうとするとされます。
そしてこの戻る力は、菌の多様性、つまり腸に棲む菌の種類の多さと関わると考えられています。
種類が多いほど、環境が変わっても誰かが働ける。
だから戻りやすい、という理屈です。
つまり季節の変わり目にできることは、その場しのぎの対処よりも、ふだんから多様性を保っておくことのほうが大きいことになります。
環境の変化そのものも腸に影響します。
心の状態と腸の関係は腸と脳の関係、ストレスと腸としてまとめています。
この時期にやること
意外に思われるかもしれませんが、新しいことを始めないほうが向きます。
体が環境に適応している最中に、フードやサプリを変えると、変化が重なって何が効いたのか分からなくなります。
フードの切り替えを予定しているなら、この時期を避けるか、いつもより時間をかけて進めてください。
やることは3つです。
- 水分を保つ … 涼しくなると飲む量が落ちます。水分の摂らせ方のとおり、食事から入れる方法が確実です
- 量はゆっくり戻す … 食欲が戻っても一度に元の量にしない。数日かけて戻します
- 便を毎日見る … 便の状態のチェックを基準にすると、変化に早く気づけます
繊維を足したくなったときは、食物繊維の摂らせ方のとおり、どちらの種類が足りないかを先に決めてください。
受診が必要なサイン
季節のせいと片づけないでほしいものがあります。
- 数日たっても便が戻らない
- 便に血が混じる
- 食欲がない、水を受けつけない
- ぐったりしている、隠れて出てこない
これらは季節の変化で説明できる範囲を超えています。
様子を見ずに動物病院にご相談ください。
とくに猫は不調を隠すとされるため、いつもと違う様子が続くことそのものが情報になります。
よくある誤解
季節が変わったらフードも変えるべき
季節を理由に変える必要は特にないとされます。
体が適応している最中に食事まで変えると、負担が重なります。
下したので絶食させれば治る
自己判断での絶食は、とくに子犬子猫や小型の子では危険を伴うことがあります。
どうするかは獣医師の指示に従ってください。
涼しくなったから水は減らしていい
飲む量は自然に減りますが、必要な量が減るわけではありません。
便が硬くなるのは、ここが原因のことがあります。
まとめ
季節の変わり目は、水分・食欲・環境が同時に動く時期です。
だから便に出ます。
この時期にやることは、足すことではなく保つことです。
- 水分を保つ
- 量はゆっくり戻す
- 便を毎日見て、変化に早く気づく
- 新しいことは、落ち着いてから始める
乱れても戻る力があります。その力を支えているのが、ふだんの食事でつくられた菌の多様性です。
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本記事は犬と猫の健康にまつわる一般的な知識の紹介であり、病気の診断・治療・予防を目的とした獣医療行為ではありません。便の状態や体調に不安があるときは、必ず動物病院・獣医師にご相談ください。


